2021年春闘勝利!組織強化・拡大!平和憲法改悪反対!平和と民主主義を守り、 菅政権の退陣を求め、コロナ禍におけるJRの安全・安心輸送確立をめざす特別決議

 本日、私たちは第191回拡大中央委員会を開催し、組織強化・拡大を最重要課題として確認し、職場からの具体的な闘いの積み上げと粘り強い交渉のなかから、2021年春闘を全力で闘い、JR各社とグループ会社に働く全ての仲間の賃上げと労働条件改善を勝ち取るとともに、憲法改悪・原発再稼働・沖縄辺野古新基地建設・労働法制改悪など菅政権が推し進めるあらゆる悪政に反対し、山積する諸課題に取り組む方針を確立した。 

 一昨年末に中国・武漢市で発生し、全世界で1年以上蔓延し続けている新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちを取り巻く日常生活は様変わりし、長引く社会経済活動の停滞によって企業倒産や業績悪化を理由とした解雇や雇い止め、労働条件の引き下げが「弱者へのしわ寄せ」となって全社会で顕著となってきている。加えて感染拡大防止のための医療体制の確立や時短営業に対する補償など後手に回った掛け声だけの菅政権の施策はことごとく頓挫し、政権への厳しい批判は報道機関の各種世論調査による内閣支持率の急落となって如実に現れている。さらに今通常国会で早期成立をめざすとしている新型コロナ対策特別措置法の政府当初案では罰則規定の導入に伴う基本的人権やプライバシーへの重大な侵害が指摘され、休業補償に対する支援の実効性に大きな疑念がもたれている。 

 こうしたなかで1月19日に経団連は経営側の春闘の交渉指針である経労委報告を発表したが、「すべての企業での一律賃上げは現実的ではない」としながら、経済を再生させるためには働き方や雇用体系の見直しが必要であり、各企業の労使は交渉の重点を雇用改革に置くべきであるとの認識を強調している。 

 働く者の現実はいまコロナ禍で約4割を占める非正規雇用労働者のうち、年収200万円以下で1100万人超の人々が働き、不安定雇用のなかで格差と貧困の連鎖はさらに深刻な度合いを増している。 

 いまこそ『アフターコロナ』の日本経済再生のためにも、JRをはじめ大企業はみずから抱える内部留保を労働者の賃上げに還元させ、国内総生産の約6割を占める個人消費を拡大させる賃金政策に転換させるべきである。 

 そのためにも、同時に直面する課題である新型コロナウイルス感染防止・ワクチン接種対策を政府の責任において推進させることはむろんのこと、健康で安心して働き続けられる医療・介護・福祉の拡充に向け、今春闘において、「底上げ・底支え」を重点に「格差是正」と「すべての労働者の立場に立った働き方」を実現させなければならない。 

 1月18日に第204通常国会が召集されたが、政治と金をめぐる問題では有罪となった河井議員夫妻の公職選挙法違反に続き、安倍前首相が主催した『桜を見る会』の夕食会経費補填をめぐる公設秘書の政治資金規正法違反、さらには吉川貴盛元農水相が贈収賄事件で在宅起訴されるなど、とどまるところを知らない腐敗政治が常態化している。

 今年10月までに施行される衆議院の解散・総選挙に向け、さらに立憲野党との共闘を強化するとともに、立憲民主主義を真っ向から踏みにじってきた安倍前政権の『強権政治』を踏襲した菅政権の退陣を求め、社会的格差を是正し、労働者保護ルールの改悪反対、非正規労働者の雇用・労働条件の改善に向けて企業・産別を超えて共に闘うことが求められている。 

 107人が犠牲となり、多数の負傷者を出した福知山線脱線事故から16年を迎える。事故の教訓が活かされないまま、JR各社において営利を優先する効率化・合理化が進められ、安全輸送の根幹である技術継承、労働条件、教育の不十分さから、重大事故が相次いで発生し、安全・安定輸送に警鐘が乱打されてすでに久しくなっている。安全・安定輸送の確保は、日常不断の「仕事と安全の総点検」の粘り強い取り組みの集大成そのものである。 

 一方、いうまでもなく経営基盤の脆弱なJR北海道・四国・貨物会社に対する恒常的支援策の拡充と毎年のように災害に見舞われるJR九州会社への経営支援策の継続など持続可能な総合交通体系の確立は焦眉の課題である。 

 さらに新幹線並行在来線の第三セクター化や赤字線の廃止、列車の自動運転化など、国鉄の「分割・民営化」以降のJR体制の問題点や課題をあらためて検証しながら、近年頻繁に発生する大規模自然災害での鉄道復旧のあり方や鉄道施設の老朽化によるインフラ整備など国や自治体に求める財政支援や政策課題も急務となっている。 

 本委員会は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、組合員・家族の健康を守ることを最優先に、リモートによるWeb開催となったが、真摯な討論の中から北海道から九州まで、目に見えなくとも全国の仲間が最重要課題である組織強化・拡大に奮闘している姿があらためて示された。私たちは「五年ビジョン」で提起した次世代へつなぐ運動を、こうした仲間の頑張りによってすべての闘いへと結びつけるとともに、当面する2021年春闘を職場から全力で取り組みながら、国労運動の一層の前進のために組織の総力をあげて一致団結して闘うことを決意するものである。 

 右、決議する。 

 2021年1月30日 

国鉄労働組合
第191回拡大中央委員会