第196回拡大中央委員会にご参集いただきました、構成員、そして会場並びにリモートで参加をされている傍聴者の皆さん、大変ご苦労さまです。
中央執行委員長の宮﨑です。中央執行委員会を代表して一言ご挨拶申し上げます。
2026年は、近年多い災害や事故などがなく、穏やかに幕が明けました。
しかしそれもつかの間、1月3日、アメリカのトランプ政権がベネズエラに軍事作戦を展開、マドゥロ大統領夫妻の身柄を拘束しニューヨークに連行したとのニュースが飛び込んできました。さらに6日午前、鳥取県と島根県で最大震度5強を観測するマグニチュード(M)6.2の地震が発生しました。2年前の元旦に発生した能登半島地震を思い起こしたのは、私だけではなかったのではと思います。当該の米子地本による迅速な調査で、幸いにも組合員が被災した事実はないと報告を受け、TUNAGアプリ上でもお知らせしてきましたが、現地では断水、屋根の瓦が落ちるなどの被害が多くの家屋で発生、広島県を含め8名の方が重軽傷のけがを負ったと言われています。被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
そして同日の6日、中国商務省は、日本向けの軍民両用(デュアルユース)製品の輸出規制を強化すると発表しました。昨年から尾を引き続けている、台湾有事をめぐる高市首相の国会答弁が理由とされ、中国からのレアアース(希土類)などの重要鉱物や化学物質、工業製品、材料などの幅広い分野の輸入に影響が出る可能性が指摘されています。
さらに、8日に山梨、11日に神奈川と群馬で山火事が次々と発生、新年早々から避難生活を余儀なくされる人たちが生まれる最中、10日には、1月23日召集の第220回通常国会冒頭、施政方針演説をせずに衆議院を解散することを高市早苗首相が検討しているというニュースが駆け巡りました。加えて、14日には立憲民主党と公明党が新党を旗揚げするとのニュース。翌15日に正式な党内手続きを経て、「中道改革連合」との党名が発表されました。そして週が明けた19日には、開いた口が塞がなくなるほどの、白紙委任を迫ると言って過言ない、高市首相による、衆議院の解散表明がされました。
元旦の穏やかな幕開けとは裏腹に、こんな滑り出しで幕を開けた2026年です。
前途多難を予想させる国内外の衝撃的な動きですが、私たち国鉄労働組合にとっては、結成80年を迎える節目の年であり、昨日にはレセプションを開催してきたところでありますが、積み上げてきた闘いの歴史を全組合員で確認しあい、次のステップに歩を進めていく年です。
さて、今拡大中央委員会の第一の課題は、組織強化・拡大の取り組みです。
本部は、昨年9月に組織拡大対策会議を立ち上げ、これまでの組織拡大方針を踏襲し、「各機関1名を確実に拡大、全国で50名の拡大を目指す」ことを確認し、本日までを第1ゾーンとして取り組んできました。これまでに、九州から拡大報告がありました。報告から見えてくるのは、「具体的な組織拡大方針」と「組合員の行動」、そして「動く」ということ、それを目的意識的に追及しているという点です。
国労組織は全国で運動を展開し、私たち働く者の要求を実現するために無くてはならない組織です。その国労組織も、組合員がいなければ、方針は意味を成しません。また机上で議論だけをしていても成果は勝ち取れません。行動に打って出ることの重要さを、改めて全体で学びあいたいと思います。
今委員会では、第1ゾーンの総括を行い、第2ゾーンに向けた意思統一を図ることが必要です。国労運動のすべての基盤である組織強化・拡大に向け全力を傾注したいと思います。
第二の課題は、2026年春闘についてです。
昨年は、全エリア本部で有額回答を引き出すことができました。また多くのグループ会社においても、同様の成果を得ることができました。要求額には届かなかったものの、奮闘していただいた組合員に感謝申し上げます。
しかし、すべてにおける物価高で、生活改善には程遠いのが現実です。昨年は 24 春闘に続き、政治からの賃上げ圧力があったのも事実です。失われた 30 年の中で、低賃金がゆえに国内消費が行き詰まり、経済成長がストップしてきました。国際社会についていけないほどの低賃金に抑え込んできたのは政治と企業経営陣、すなわち資本の側です。
そのことを踏まえて、26春闘では、立場の弱い労働者が団結しなければ要求は勝ち取れないという、「賃金」の定義を改めて学びあい、労働者の生活向上のための賃上げを求めて、全力で取り組まなければなりません。
3点目の課題は、JRの安全とローカル線を守る闘いです。
国鉄「分割・民営」化から39年の月日が経過しようとしていますが、安全にかかわる技術の継承や安全意識、安全文化がどれだけきちんと引き継がれてきたのか、疑問を抱くのは私だけでしょうか。併せて、凄まじいほど急速な技術革新により、現場における点検やメンテナンスもAIなどに取って代わろうとしていますが、現場からの声や指摘を取り込む会社の業務体制が検証されなければなりませんし、私たち労働組合も現場力が弱くなっていることを反省しなければなりません。昨年は、福地山線脱線事故や特急いなほの転覆事故から20年の節目でした。人命を巻き込んだ重大事故を二度と起さないためにも、「安全は輸送業務の最大の使命である」ことをもう一度、そして何度でも繰り返し労使で確認しなければなりません。一旦事故が起これば企業の信頼は失墜することを改めて意識し、「安全あっての鉄道会社」であることを追求し続ける必要があります。
本部は一昨年シンポジウムを開催し、安全問題と併せてローカル線問題に光を当ててきました。ローカル線は儲からないからと、次から次へと切り捨てられてきています。しかし「公共交通とは何でしょうか」「すべてが儲からないと成立しないのでしょうか」という問いに突き当たります。利用者にとっては、首都圏の路線も地方の路線も、たとえそれがローカル線であったとしても、重要な移動手段であることに何ら変わりはありません。鉄道事業者と自治体、行政が一体となって地方における地域社会をトータル的に考える必要がありますし、人流と物流を繋ぐその中心が公共交通であると考えます。今ある鉄道を生かし、地域の交通を考える事をあらためて訴えます。「地域公共交通を守る全国統一行動」の取り組みを継続的に取り組み、春闘期に予定する集約集会に持ち寄りつつ、さらなる安全・安定輸送の確立を目指していきましょう。
4点目の課題は、政治課題です。
金権腐敗体質から抜け出せない自民党・高市政権は、世論からの高支持率を背景に衆議院解散・総選挙に踏み切る暴挙を行いました。政治と金の問題しかり、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係しかり、「責任ある積極財政」しかり、海外から厳しい視線を向けられている問題しかり、なんら説明も検証も尽くされていません。そんな中で政権の信を問うというよりも自身の信任投票を迫ってきたわけですが、有権者の判断材料は全くそろっていません。何も見えない中で、高支持率に頼って議席回復を狙う身勝手な解散総選挙であり、断じて許すことはできません。大義の無い身勝手な解散総選挙に「NO!」を突き付け、排他主義の台頭を阻止するためにも、立憲野党を志す議席を伸ばしていかなければなりません。そのために力を合わせてまいりたいと考えます。
あわせて、「戦争をする国」へ突き進む改憲への動き、そして、新たなエネルギー政策では原発再稼働に加え、原発の新増設をも認めるなど原発回帰へと大きく舵を切りました。
私たちは、昨年12月に第13回フクシマ交流・視察学習会を成功裡に開催し、原発に依存しない世界の確立に向け取り組みを強化し、私たちの闘いは「微力だけど無力じゃない」ことを確認してきました。福島第一原発事故を風化させることなく、人類と核の共存はあり得ないことを訴え続けなければいけません。
また、現政権が、防衛増税を視野に戦力拡大を目指すことを明らかにしており、戦争の惨劇をこれ以上繰り広げることを私たちは断じて許しません。このような政治を進める高市自維連立政権にNOを突きつけ、平和な暮らしと国民の手に政治を取り戻すために全力をあげましょう。
以上、中心的な課題について述べましたが、多くの課題の解決のためには仲間を増やして国労が力をつけていくしかありません。これから迎える2026年春闘の闘いから、第2ゾーンとなる組織拡大の取り組みを中心に、次期定期全国大会まで全力を挙げる決意を申し上げ、中央執行委員会を代表しての挨拶といたします。
以上
