トランプ米政権のベネズエラ軍事攻撃に抗議し、日本政府が平和的解決を働きかけるよう求める特別決議

 私たち国労は、ニューウェルシティ湯河原において第196回拡大中央委員会を開催し、組織強化・拡大をはじめとした2026年春闘勝利!JR各社とグループ・関連会社に働く労働者の大幅賃上げと労働条件の改善を求め、憲法改悪・原発再稼働・沖縄辺野古新基地建設・労働法制改悪反対など山積する諸課題を全力で闘い抜くため、当面する闘争方針を確立した。

 昨年10月の第219回臨時国会において、石破内閣の総辞職により高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に指名され、自公政権から新たに自維連立政権が発足した。しかし、連立政権が推し進める政策は、物価高に苦しむ国民生活の改善ではなく、医療費の削減をはじめとする社会保障改悪、議員定数削減やスパイ防止法の制定、防衛費の大幅増額、非核三原則の見直し議論など改憲と戦争準備に向けた極めて危険な動きである。

 高市首相は、1月23日召集の第220回通常国会冒頭で衆議院を解散した。解散翌日から投票まで戦後最短の16日間という異例の冒頭解散は、台湾有事をめぐる首相答弁や首相補佐官による「核保有」発言、旧統一教会と自民党との密接な関係、そして裏金問題などの「政治とカネ」に対する国会での追及を避け、「内閣支持率の高いうちなら与党が勝利できる」との思惑による党利党略でしかないことは明らかである。

 私たちは改憲策動の阻止と高市政権の退陣を求め、本日公示された第51回衆議院議員総選挙闘争を全力で闘い抜く決意である。

 一方、26春闘をめぐる動向では、安倍政権から続く「官製春闘」を継承する高市首相が、昨年11月25日、経団連に対して「物価上昇に負けないベア」を要請した。しかし、厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査では2025年1月以来11カ月連続のマイナスが続き、労働者の暮らしは相次ぐ物価高騰の中で疲弊している。その反面で財務省が昨年9月に発表した大企業の利益剰余金はいまや637兆円まで膨れ上がり、13年連続で過去最高額を更新し続け、貧困と格差は拡大するばかりである。

 こうした情勢のもと、今次26春闘では、団体交渉を支える職場からの創意工夫した取り組みが求められている。そのためにも自らの生活・職場実態を捉え直しつつ、26春闘に臨んでいくことが重要になっている。とりわけ今次春闘では、全組合員をつないでいく「TUNAG」登録推進をはじめとした創意工夫した取り組みなど、全機関が一丸となった闘いを組織しなければならない。

 JR発足から39年を迎えるなかで、JR各社およびグループ・関連会社を問わず、公共性すら無視した営利優先の合理化・効率化施策が推し進められ、安全・安定輸送の基盤ともいえる技術継承や教育も不十分なまま相次ぐ重大事故・事象が発生している。107人の尊い命が奪われ多数の負傷者を出した「福知山線脱線事故」や「羽越線脱線事故」から20年が経過しても今なお事故の教訓は活かされず、JR貨物では輪軸組立作業に伴う不適切な取り扱いに対して「事業改善命令」が発せられ、全国の鉄道事業者へと波及した。JR東日本では走行中の新幹線の分離事故やJR北海道では線路内作業のあり方に伴う「強化型保安監査体制」の適用を受けるなど、JR各社において安全・安定輸送の根幹が脅かされる事態となっている。

 本年1月3日、トランプ米政権が国際法違反の武力行使によってベネズエラを軍事攻撃し、国家元首であるマドゥロ大統領夫妻を拘束して、米国に移送した。

 トランプ政権は、米国に大量流入する麻薬密売組織の背後にマドゥロ大統領がいると主張し、今回の軍事攻撃を正当化している。

 国連は1月6日に声明を発し、米軍の軍事攻撃について「国家はいかなる国の領土保全や政治的独立に対しても、威嚇あるいは武力の行使を行ってはならないと定めた国際法の基本原則をないがしろにしたことは明白だ」と指摘し、「米国の介入はベネズエラにとっても世界全体にとっても有害な結果をもたらしかねない」と明言した。その上で「ベネズエラの未来は、自己決定権を含む人権や自らの生命および資源をめぐる主権を完全に尊重しながら、ベネズエラ国民によってのみ決定されなければならない」と強調している。

 米国のベネズエラ軍事攻撃の狙いは、世界最大規模の埋蔵量といわれる石油利権への関与ばかりではない。「ドンロー主義」と称する新たな外交・安全保障政策のもとで、米国のラテンアメリカ支配に反対する勢力の先頭に立っているベネズエラを陥れ、デンマーク自治領のグリーンランド領有宣言にみられるように西半球における覇権を確立することにある。

 今回の軍事攻撃を口実に、ロシアや中国がウクライナ侵略や台湾侵攻を正当化することも懸念されている。

 高市首相はトランプ政権のベネズエラ攻撃について、「我が国は、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきた」としながら、軍事行動への評価を避けた。

 私たちは、あらゆる戦争や軍事力を行使した「力による現状変更」に反対し、人権と平和が破壊される野蛮な行為に断固として抗議する。 同時に、いまこそ日本政府が憲法の平和主義の理念に則り、平和的な手段による国際紛争の解決に力を尽くすことを強く求めるものである

 以上、決議する。 

 2026年1月27日 

国鉄労働組合
第196回拡大中央委員会