安倍政権の暴走を許さず、改憲阻止、消費増税反対、国民生活と平和・民主主義を守る特別決議

第88回定期全国大会の「特別決議」は大北副青年部長が提案し、拍手で採択した。

 7月21日投開票で行われた第25回参議院議員選挙は、与党勢力に過半数の議席を許したものの、自民党は改選議席を9議席減らして、単独過半数を割り込み、与党をはじめとしたいわゆる「改憲勢力」の三分の二議席確保を阻止した。安倍首相は選挙戦で、「安定か、混乱か」、「憲法を議論すらしない政党を選ぶのか、議論を進めていく政党を選ぶのか」と煽り立て、立憲野党と市民の共同の分断を図る攻撃を強めた。

 一方、立憲民主、国民民主、共産、社民など野党5会派は市民連合と共闘し、憲法9条改定反対、安保法制廃止、原発ゼロ、高度プロフェッショナル制度の廃止、消費税の引き上げ中止などの13項目にわたる共通政策を合意し、全国32の一人区で候補者を一本化した。

 その結果、辺野古基地建設を強行する沖縄県、陸上イージスアショアの導入を狙う秋田県、そして、「安倍忖度発言」で腐敗の象徴となった新潟県で、それぞれ自民党候補に競り勝つなど、一人区において、改選2議席から10議席に大きく躍進し、憲法改正を重要な争点として訴えた安倍首相の路線は立憲野党と市民の共闘により否定された。

 しかし安倍首相は、選挙後の会見で、任期中での憲法改正の意向を改めて表明して参議院における三分の二の確保に向けた決意を明らかにし、改憲発議が可能な状態を作り出すため、憲法改正の国会発議と合わせて国民投票の強行を目論んでいる。

 安倍政権の6年半の悪政の下で、社会の格差と貧困は拡大し、この閉塞状態に多くの人々は不安を募らせている。

 この間、共謀罪や特定機密保護法、「戦争法」等の違憲立法や、辺野古基地建設、オスプレイ配備の強行など、憲法をないがしろにする悪政が矢継ぎ早に推し進められ、「マクロ経済スライド」により、将来にわたって基礎年金を7兆円削減することが公式に認められたが、「老後は公的年金の他に2000万円が必要」とする金融審議会報告書がいみじくも明らかにしたように、このままでは働く者の老後の生活が成り立たないことは明々白々である。

 大企業を中心に企業の内部留保は過去最高を更新する一方で、非正規雇用は2000万人を超え、ワーキングプアは連続して1000万人を超える状況で、その上、10月からの消費税10%への引き上げは、労働者・国民に塗炭の苦しみを押しつけるものでしかなく、憲法改正、年金問題、消費税は、今後の平和と安心して暮らせる社会を作るうえで極めて大きな課題である。

 国鉄労働組合は、「安倍政権による暴走政治にストップをかけ、憲法改悪に反対し、平和・人権・民主主義を守るため、参議院選挙を全力で闘う国労アピール」を発し、中央・地方において野党統一候補の勝利に向けた取り組みを強化してきた。

 引き続き、市民連合や総がかり実行委員会に集結する仲間はもとより、各ナショナルセンターや産別を越えて安倍政権を打倒し立憲主義を守る闘いに全力をあげなければならない。

 国鉄労働組合は終戦の翌年、「二度と戦争協力をしない」と誓い、結成した組織であり、反戦・平和の旗を高く掲げ、今日まで闘い続けてきた。安倍政権の国民不在の暴走政治を許さず、平和と民主主義、国民の生活を守るために、共同・共闘の闘いを一層強化していくものである。
 右、決議する。
 2019年7月31日

国鉄労働組合
第88回定期全国大会