第95回定期全国大会に結集をされた、構成員、傍聴者並びに、関係するすべての仲間の皆さん、大変ご苦労さまです。
中央執行委員長の宮﨑です。
今年の定期大会にも、交運労協・池之谷潤議長、平和フォーラム・谷雅志事務局長、全労協・渡邉洋議長、そして政党からは立憲民主党・吉田忠智参議院議員、社会民主党・福島みずほ党首、日本共産党・畑野君枝衆議院議員、そしてさらに、わたくしたちの仲間であり、先輩として全国の議会で奮闘されている国労議員団の皆様が激励に駆けつけてくださるわけですが、今年は会場の都合から大会二日目にお越しいただく段取りとなっていることから、明日ご挨拶をいただくことを冒頭申し上げておきます。
こうした条件の中での開催となった第95回定期全国大会ですが、連日続く猛暑の中で、日夜鉄路を守り、国労運動を職場・地域で展開していただいている全国の組合員に対し敬意を表し、中央執行委員会を代表して、一言ご挨拶申し上げます。
今年は国鉄労働組合にとって結成80年という節目の年であり、その記念レセプションを1月にご当地ニューウェルシティー湯河原・大観の間にて開催してきました。国労80年の歴史を改めて見つめなおすとともに、この先の活動をいかにつくり上げていくかという課題について、福田護弁護士からの記念講演を受けつつ全体で考え、決意を新たにしてきました。
急激に団塊の世代が退職を迎えてきたここ数年、国鉄労働組合にとって組織運営が、大変厳しいものとなっていることは否めません。この一年間、昨年の第94回大会から負託を受けた課題について、中央執行委員会として今後の組織運営に向けた諸課題を、組織検討委員会にその議論を付託してきました。過去には予想もできなかった現職者と再雇用者の比率の現実、その組織運営を考慮した組織の整備や考え方、とりわけ再雇用組合員の平均組合費並びにその徴収対象についての考え方について、昨年12月に「組合費徴収に関する中間とりまとめ報告」が行われ、中央執行委員会として全組合員への周知と合意を得るべく、全国代表者会議において報告を行うとともに、職場討議を要請してきました。今定期大会の中で、現時点における組織運営を考慮した提起がされますので、ぜひ全体で確認し総団結をつくり上げていきたいと考えています。
さて、今定期大会の第一の課題は、何といっても労働組合の生命線である組織強化・拡大についてです。国労本部は、昨年9月に組織拡大対策会議を立ち上げ、具体的な目標を定め取り組みを強化してきました。全国で仲間が奮闘を続けることによって、9名の仲間を迎え入れてきました。二桁に今一歩というところでしたが、“拡大が続いている事実”に、自信と確信を持ち合いたいと思います。
組織拡大の芽は、全国の職場にあります。それに気付くための議論、そして拡大に結び付ける活動、「動き」を、どれだけつくり続けることができるのかが、勝負の分かれ目と言えます。2026年度もこれまで通り、確実に拡大の芽を花咲かせるよう、そのための運動を構築していくこととします。
一方、組織の現状は多くの退職者を抱え大変厳しいのが現実です。再雇用満了後の有期雇用契約制度が、JR各社で導入されてきている現状に鑑み、65歳を過ぎても組合員資格を有する仲間は是非、国鉄労働組合員として活動を継続していただけるよう、全国の仲間にお願いする次第です。
第二の課題は、労働条件改善、JRの安全・安定輸送を確立する取り組みです。
JRが発足し、40年が目前に迫っています。この月日の中で、JR各社は鉄道業から、非鉄道業へと資本をシフトしてきました。生産年齢人口の減少に伴い、鉄道だけでは利益が上がらないことから、「儲かる事業へシフトする」と経営陣は公言しています。民間会社の経営としては当たり前のようにも聞こえますが、それは鉄道の安全が担保されていることが大前提であり、さらに国鉄から引き継いだ公共交通の使命を果たすこと抜きには語れません。
どれだけ素晴らしい商品を紹介し、素敵なホテルを提供しても、鉄道事故・輸送障害を起こしてしまえば、すべての信頼を失うことをJR各社はすでに経験しています。事故がなぜ起きたのかを振り返り、常に安全が追求されなければいけません。
残念ながら、事故は多発しています。発生から2年が経とうとしてますが、その衝撃からいまだに脳裏に焼き付く、新幹線の連結器が走行中に外れる事故が 2度発生。そして山形新幹線では、原因不明のトラブルで運行に大きな影響と、新幹線の安全神話は完全に崩れ去っています。その他にも架線、パンタグラフ、ブレーキトラブル。そして在来線でも、事故は多発。さらにグループ会社、協力会社社員の死亡事故などJR各社では事故が頻発しています。このままでは、いつ人命に絡む大事故が起きるのではないかと危惧してしまいます。
福知山線脱線事故、特急いなほ転覆事故から20年の節目を昨年、そして今年1月には伯備線特急やくも保線作業員死傷事故から20年の節目を迎え、二度とあのような事故を起こさないための取り組みをあらためて労使で創っていかなければなりません。国労は、JR各社と真剣に向き合い、安全・安定・安心な輸送の確立に向け取り組みを今後も継続していきます。
もう一つは、公共交通の使命についてです。民間会社として利潤を挙げる事は必要です。しかしその手法として、儲からないとの理由で地方ローカル線を廃線にするのは間違っています。その線区には、少なくても利用者がいて、生活があり、命があります。その利用者の、移動する権利を確保するのが公共交通です。その使命をJR各社は日本国有鉄道から引き継いでいます。したがって、その使命を放棄することは許されません。
本部は、今年の春闘期に公共交通を考える集会、一昨年にはシンポジウムを開催してきました。来年には、JR発足40年を迎えます。繰り返し、公共交通の使命について考え合いたいと思います。
さらに、公共交通や人流・物流にかかわるものは国の責任も大きいことから、交運労協などと連携し行政への働き掛けを強化していきます。
第三の課題は、2027年春闘についてです。
今年の春闘では、全エリア本部で有額回答を引き出すことができました。またグループ会社においても、一部を除き同様の成果を得ることができました。要求額には届かなかったものの、奮闘していただいた組合員に感謝申し上げます。
しかし私たちの生活は、物価高において生活改善には程遠いのが現実です。24・25春闘に続き、26春闘でも政治からの賃上げ圧力があったのも事実です。失われた30年の中で、低賃金がゆえに国内消費が行き詰まり、経済成長がストップし、国際社会についていけないほどの低賃金に抑え込んできたのは政治と企業経営陣です。
そのことを踏まえて、2027年春闘では、立場の弱い労働者が団結しなければ要求は勝ち取れないという、賃金確定原理の学習強化と合わせ、労働者の生活向上のための賃上げを求めて取り組みを強めたいと思います。
第四の課題は、政治的な課題についてです。
2月8日に投開票された第51回衆議院議員総選挙は、自民党が単独で316議席を獲得し、歴史的な大勝利を収めました。これにより、自民党は衆議院の3分の2以上の議席を確保し、参院で法案を再可決できるようになりました。一方、野党の中道改革連合は議席を大幅に減少させ、比例代表では参政党やチームみらいが躍進する結果となりました。
この結果を受け2月18日に召集された第221回特別国会は、7月17日までの会期150日間と議決されていましたが、最終日に延長され、7月25日までの158日間となりました。
一方、高支持率を維持してきた高市内閣ですが、ここにきて陰りが見え始めています。過去の“履歴書問題”が再燃するなか、「補正予算NO」からの急旋回や「消費税ゼロ化」をめぐる迷走など、“公約とのズレ”に対する批判も噴出しています。各種世論調査では依然として高水準を保ちながらも、若年層の離反が目立ち、保守層の一部からは「言っていたことと違う」と距離を置く声も上がり始めていると言われています。
そうした中にあって危惧されるのが、数を背景にした施策の一方的な実施で、国の外交安全保障政策の基本方針となる「安全保障関連3文書」の改定に向けた議論を本格化させていて、「新しい戦い方」「総合的な国力」などを掲げ、国をあげて有事への備えを加速させる方針を打ち出しています。その一方で、こうした動きによって、日本が長年掲げてきた平和国家としての理念が揺らぎかねないとの懸念も出ており、安全保障政策の大きな転換点になると言われています。
まさに、「戦争をする国」へとまっしぐらに進んでいるとしか見えません。
世界に目を向ければ、ロシアとウクライナ、中東各地で国同士が自国の主張を正当化するために軍事行動に出ています。戦争から何を得ようとしているのでしょうか。そのために犠牲になっているのは、民間人・軍人を含む国民であることを正しい目で見る必要があります。
国労は昨年、被爆80年視察学習交流会を長崎で開催し、二度とあのような日を迎えないために、事実を語り継ぎ、取り組みを強化することを誓いました。暑い夏を迎え、毎年8月に広島と長崎において国鉄原爆死没者慰霊式典を執り行っています。
国労は、恒久平和を願う立場から軍事大国化の道に明確に反対します。
もう一つは、原発を巡る状況です。原発事故の反省から原発依存を下げてきましたが、石破政権でエネルギー政策の抜本的見直しが行われ、原発回帰の立場が鮮明にされ、高市政権においても、原子力施設の建て替え促進や安全性と生産性を高めた次世代革新炉の開発に取り組むことが明らかにされています。もう福島第一原発事故は、喉元を過ぎたのでしょうか。15年間で事故のリスクはなくなったのでしょうか。私たちは、この安易な方針転換を許すことはできません。
国労は昨年、第13回目となるフクシマ交流を取り組み、核の平和利用などあり得ないことを改めて確認しました。福島第一原発事故を風化させず、反原発の取り組みを地域の仲間と共に取り組むためにも、フクシマ交流を今年も開催したいと考えます。
以上、中心的な課題について述べましたが、今後、国労運動を継承し、組織を創っていくのは次世代の仲間です。そして自らの経験から知恵を出し、次世代を激励しながら共に闘うのが国鉄世代の任務です。
一人、そしてまた一人と仲間を迎え入れ、今定期大会で確認する方針を実践するために、全ての闘いを組織拡大に集約し、全組合員が一致団結して、全力を挙げる事をあらためて強く訴え、中央執行委員会を代表しての挨拶といたします。
以上
